AGG, SCHD, DGRW 比較分析
AGG、SCHD、そして DGRW は全て ETF ですが、それぞれ異なる投資戦略と目標を持っています。以下に、この 3 つの ETF の特徴と主要な違いを整理して比較分析します。
1. 基本情報
項目 | AGG | SCHD | DGRW |
---|---|---|---|
ETF 名称 | iShares Core U.S. Aggregate Bond ETF | Schwab U.S. Dividend Equity ETF | WisdomTree U.S. Quality Dividend Growth ETF |
ティッカーシンボル | AGG | SCHD | DGRW |
運用会社 | iShares (BlackRock) | Charles Schwab | WisdomTree |
設立年 | 2003 | 2011 | 2013 |
基準インデックス | Bloomberg U.S. Aggregate Bond Index | Dow Jones U.S. Dividend 100 Index | WisdomTree U.S. Quality Dividend Growth Index |
資産規模 | 約 1200 億 USD | 約 500 億 USD | 約 100 億 USD |
2. 投資戦略および目標
- AGG (債券型 ETF):
アメリカの投資適格債券に分散投資し、安定的なキャッシュフローを提供することを目指しています。主に米国債、投資適格の社債、住宅ローン担保証券 (MBS) などを含み、金利変動とインフレに対する安定的な収益を提供します。 - SCHD (配当株 ETF):
高配当利回りを持つ優良な大型株に投資し、着実な配当収益を提供することを目指しています。安定した配当と低い変動性を持つ企業に投資し、長期的なポートフォリオ保有を重視しています。 - DGRW (配当成長 ETF):
配当収益だけでなく、将来的な配当成長の可能性が高い企業を中心に投資します。ROE(自己資本利益率)や長期的な利益率(ROA)などの品質指標を評価し、成長性のある銘柄を選別しています。
3. 収益率および配当利回り
項目 | AGG | SCHD | DGRW |
---|---|---|---|
配当利回り | 3.43% | 3.5~4.0% | 2.0~2.5% |
12 ヶ月総収益率 | 約 2.61% | 平均 12~15% | 平均 10~12% |
4. 経費率 (Expense Ratio)
項目 | AGG | SCHD | DGRW |
---|---|---|---|
経費率 | 0.03% | 0.06% | 0.28% |
5. ポートフォリオ構成および主要セクター
- AGG: 約 44% が米国債、25% が住宅ローン担保証券 (MBS)、残りは社債やその他の債券で構成されています。
主要セクター: 政府債、金融機関、産業セクターなど。 - SCHD: 約 100 種類の銘柄を保有し、主に金融、消費財、ヘルスケア、テクノロジー分野の安定した大型企業が含まれています。
代表的な銘柄: PepsiCo, Coca-Cola, Merck, Verizon など。 - DGRW: 約 300 種類の銘柄を保有し、主に配当成長性が高いテクノロジー、ヘルスケア、産業分野を中心に構成されています。
代表的な銘柄: Microsoft, Apple, Johnson & Johnson, Procter & Gamble など。
6. 長所と短所のまとめ
ETF | 長所 | 短所 |
---|---|---|
AGG | – 安定的な収益と低い変動性 – ポートフォリオの分散効果 |
– 株式と比較して総収益率が低い – 金利上昇時に債券価値が下落する可能性 |
SCHD | – 安定した配当収益 – 防御的なポートフォリオ |
– 配当成長率は比較的低い |
DGRW | – 配当成長の可能性が高い銘柄に投資 – 長期的な配当および株価の上昇が期待できる |
– 初期配当利回りが低い – 高い運用経費率 |
7. 投資家への提案
- AGG: 債券中心の安定した収益を求め、ポートフォリオのリスクを低減したい投資家。
- SCHD: 安定した配当収益を求め、長期的な保有を考えている防御的な投資家。
- DGRW: 配当成長と長期的な株価上昇を共に追求する成長型の投資家。
8. 結論
AGG は安定的なキャッシュフローを提供し、株式との相関が低いため、ポートフォリオの分散に適しています。
SCHD は安定した配当収益を追求し、低い株価変動性を持つ大型優良株に投資するため、長期的な保有に適しています。
DGRW は配当の質と成長可能性を重視しており、長期的な配当と株価の上昇を期待する投資家に適しています。