〜 世界初のHigh-NA EUV商用量産適用と1.8nm級RibbonFET・PowerVia技術がもたらすファウンドリ事業の転換点 〜
米半導体大手インテル(Intel Corporation / INTC)は、同社の命運をかけた最先端1.8nm級プロセスノード「Intel 18A」による次世代PC用CPU「Panther Lake(Core Ultra Series 3)」の本格的な商業量産(High-Volume Manufacturing)を開始しました。
同社はオランダASMLの超高解像度「High-NA EUV(0.55 NA EXE)」露光装置を競合他社に先駆けて世界で初めて実戦量産ラインに投入し、既存のLow-NA装置と同等の高い歩留まり(イールド)を達成したことを証明しました。
本記事では、インテルの18Aプロセスの進捗とHigh-NA EUV導入の成果、そしてファウンドリ事業(Intel Foundry)の再起と株価見通しについて解説します。
項目 / 内容 概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 量産開始ノード・製品 | Intel 18A(1.8nm相当)/ Panther Lake(Core Ultra Series 3)※1 |
| High-NA EUV導入状況 | ASML EXE 5000/5200を世界初で商業量産ラインに実用化※1 |
| 核心新技術 | RibbonFET(GAA構造)および PowerVia(裏面電源供給技術)※2 |
| 生産能力(ウェハ) | アリゾナ・オレゴン工場にて月産約30,000枚規模へ拡大※2 |
| ファウンドリ顧客 | Microsoft、Amazon AWS等からのカスタム18Aチップ受注を獲得 |
〜 世界初のHigh-NA EUV商業量産と安定歩留まりの達成 〜
インテルは2026年7月中旬、ASMLの次世代High-NA EUV露光装置(開口数0.55)を使用したIntel 18Aプロセスの商業量産を公式に開始しました。
TSMCやサムスン電子が投資対効果を見極めるため導入に慎重な姿勢をとるなか、インテルはPanther Lakeの主要レイヤーにHigh-NA EUVをいち早く実戦投入しました。既存のLow-NA(0.33 NA)装置と新装置の両方で同じ品質を担保する「デュアルクオリフィケーション(二重適合)」に成功したことで、歩留まりの低下を防ぎながらプロセス工程数を大幅に削減することに成功しています。
これにより、TSMCに対する技術的遅れを取り戻し、2nm以下の超微細化領域において世界最高水準のトランジスタ密度を実現しました。
〜 RibbonFETとPowerVia:ファウンドリ事業(Intel Foundry)の再起 〜
Intel 18Aの優位性を支える2大新技術が、GAA構造を採用した「RibbonFET」と、世界初となる裏面電源供給技術「PowerVia」です。
特にPowerViaは、チップの裏面から直接トランジスタへ電力を供給することで、配線混雑を解消し動作クロックの向上と省電力化を劇的に達成しました。この革新的なアーキテクチャにより、同社の自社CPU製品だけでなく、ファウンドリ顧客(Intel Foundry)向け受託生産の魅力が急上昇しています。
すでにMicrosoftやAmazon AWSといった巨大テック企業が18AプロセスによるカスタムAI・サーバーチップの製造委託を決定しており、2026年後半からのファウンドリ部門の収益性改善が強く期待されています。
〜 Rirori’s Eye(編集部の視点) 〜
インテルは数年間にわたる事業再編と大規模な設備投資を経て、ついに「18Aプロセスの本格量産」という決定的なマイルストーンを達成しました。
High-NA EUVの先陣を切った成功は、同社が「製造技術のリーダーシップ」を再び奪還したことを象徴しています。ファウンドリ事業の赤字縮小とPanther Lakeの市場投入が進む2026年後半以降、株式市場における評価の構造的なリレーティング(再評価)が期待される注目銘柄です。
※1: High-NA EUV商業量産実績および18A Panther Lake出荷データはインテル公式およびASMLプレスリリースに基づきます。
※2: 生産能力および技術仕様(RibbonFET/PowerVia)は業界アナリストレポートに基づきます。

