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【2026/08/16】ソフトバンク孫正義の超知能(ASI)インフラ構想:10GW級巨大発電・DC投資と日本発フィジカルAI連合の勝算

〜 オハイオ5000億ドル投資からNEDO主導Noetraまで、4大レイヤーで紐解く覇権シナリオ 〜

ソフトバンク超知能(ASI)生態系の4大垂直統合モデル
【全体像マップ】ソフトバンクが描く人工超知能(ASI)生態系:電力・基盤・半導体・フィジカルAIの4大垂直統合アーキテクチャ

項目 / 内容 概要

項目 内容
米オハイオ州AI拠点計画 ピケトン旧ウラン濃縮施設跡地に総額5000億ドル規模の10GW級AIデータセンターおよび330億ドル規模の天然ガス発電所(9.2GW)を整備
日本発フィジカルAI連合 ソフトバンク、ソニー、NEC、ホンダなど国内有力企業が新会社「Noetra(ノエトラ)」を設立し、実世界制御向けマルチモーダル基盤モデルを開発
国策支援と開発ロードマップ 経済産業省・NEDOより初年度約3873億円、5年間で最大1兆円規模の支援を採択。2028年にNVIDIA Rubin 2万7500基インフラ稼働、2030年実用化へ
財務基盤とNAV推移 Armの時価総額約2980億ドル拡大を主因に、SBGの純資産価値(NAV)は直近ピークで72.3兆円を記録。強固な資産裏付けによる成長投資を加速
Riroriの着眼点 ソフトウェア主導のLLM競争から「電力・計算基盤・物理ロボティクス」を垂直統合したASIプラットフォーム競争への構造変化が鮮明化

〜 米国10GW級巨大インフラ整備:電力と計算資源を同時内製化するオハイオ・プロジェクト 〜

ソフトバンクグループ(SBG)を率いる孫正義会長は、人類の知能の1万倍に達すると定義する「人工超知能(ASI:Artificial Superintelligence)」の実現に向け、世界最大規模のインフラ投資を着実に具体化させています。その象徴となるのが、米国オハイオ州ピケトン(Piketon)で進行する巨大AIデータセンターキャンパス計画です。本プロジェクトは、旧ウラン濃縮施設跡地という広大な敷地を活用し、総額5000億ドル(約75兆円規模)の投資を目指すものです。

AIデータセンターと発電インフラの構成概念図
【概念図】10GW級AIデータセンターと専用電力インフラの構成モデル

最大のボトルネックとされる電力供給に対しては、独自に330億ドルを投じて9.2GWの天然ガス火力発電施設を併設し、最終的に10GWに達する計算キャパシティを安定稼働させる設計となっています。従来のビッグテックが既存電力網からの調達や長期電力購入契約(PPA)に依存するなか、発電設備からデータセンター、高速ネットワーク、そして米国新会社「SB Neo」を通じたGPUネオクラウド事業までを一体運営するモデルは、AIインフラの垂直統合における新たな標準モデルを提示しています。第1フェーズ(約800MW)は2028年初頭の稼働を予定しており、OpenAIやオラクル等と連携する「Stargate」構想とも補完し合う計算ハブとして機能する見通しです。

ソフトバンクグループ主要AIインフラの電力規模比較
図1: ソフトバンクグループが推進する主要AIインフラおよびデータセンターの電力規模(GW)

〜 日本発フィジカルAI連合「Noetra」の始動:製造・モビリティ現場データを活かす逆襲戦略 〜

グローバルなインフラ展開と並行し、国内においては日本の強みである産業基盤を結集した「フィジカルAI(Physical AI)」の国家プロジェクトが本格始動しました。ソフトバンク、ソニーグループ、NEC、本田技研工業をはじめとする国内企業群は、実世界と相互作用するAI基盤モデルの開発会社「Noetra(ノエトラ)」を設立しました。

製造・モビリティ現場で実世界データを制御するフィジカルAIロボティクス概念図
【概念図】製造・モビリティ現場で実世界データを制御するフィジカルAIロボティクス

Noetraは、テキストや画像にとどまらず、ロボットの制御ログ、車載センサーデータ、工場の生産ライン情報など、日本の製造・ものづくり現場に蓄積された高品質な物理データを学習するマルチモーダル基盤モデルの開発に特化しています。2026年6月には経済産業省および新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の大規模助成事業に採択され、初年度3873億円、5年間で最大1兆円規模の支援枠組みが設定されました。計算資源の確保に向けては、次世代アーキテクチャであるNVIDIA Rubin GPU約2万7500基を搭載した専用スーパーコンピューティング基盤を2028年半ばに稼働させる計画です。

Noetraプロジェクトの支援規模とGPUインフラ計画
図2: 日本発フィジカルAI連合「Noetra」に対する国策支援規模およびNVIDIA Rubinインフラ計画

〜 Rirori’s Eye 〜

今回のソフトバンクによる一連の動きは、AI産業の競争軸が「パラメータ数やプロンプト精度」といった単一モデルの優劣から、「専用電力・大規模計算クラスタ・実世界データ・チップ設計」を包含する総合的な産業生態系の掌握戦へと完全に移行したことを示しています。

Armアーキテクチャと次世代AI半導体エコシステム概念図
【概念図】ソフトバンクのASI構想を支えるArmアーキテクチャと次世代シリコン半導体

Armの堅調なロイヤルティ収益と約2980億ドルの時価総額に支えられ、SBGの純資産価値(NAV)は72兆円超の水準を記録するなど、巨額投資を継続するための財務的裏付けは依然として強固です。オハイオでの超大規模電力一体型データセンター建設と、日本国内におけるNoetraを通じたフィジカルAIの標準化が両輪として機能すれば、ソフトバンクは単なる投資持ち株会社を超え、次世代ASI時代の不可欠な基盤プラットフォーム企業としての地位を確立する可能性を秘めています。

※1: ソフトバンクグループ株式会社 2027年3月期 第1四半期決算発表資料および公式IRリリースを参照。

※2: 経済産業省・NEDO「生成AIの基盤モデル開発・フィジカルAI実証事業」採択公表資料(2026年6月)を参照。