【2026/09/04】日銀マネタリーベース8月:平残−15.7%、主役は当座預金

〜 券種より先に、日銀当座預金の寄与を見る 〜

日本銀行は2026年9月2日、マネタリーベース(2026年8月)を公表した。※1 8月の平均残高の前年比は−15.7%。内訳では日銀当座預金が−18.9%と大きく、日本銀行券発行高−2.0%、貨幣流通高−1.2%を上回る落ち込みである。※2 本源通貨全体の数字をそのまま金利判断に載せる前に、当座預金側の寄与を先に置く。

当座預金(CURRENT ACCOUNT RESERVE)が券種より重くヘッドラインを引き下げる概念図。
概念図
項目 内容
対象 マネタリーベース(2026年8月)※1
平残前年比 −15.7%※2
日銀当座預金 平残前年比 −18.9%、平均残高 4,234,230億円※2
券・貨 日本銀行券 −2.0%、貨幣 −1.2%※2
季節調整 前期(月)比年率 −28.8%(別系列)※2

〜 定義:合計の中身を分けて読む 〜

マネタリーベースは、日本銀行が供給する通貨である。流通現金(日本銀行券発行高+貨幣流通高)と日銀当座預金の合計値、と日本銀行は定義する。※3 式は「日本銀行券発行高+貨幣流通高+日銀当座預金」。※3 8月の平均残高は5,430,070億円。うち当座預金が4,234,230億円を占める。※2

前年比−15.7%は、平残の前年同月比である。季節調整済の前期(月)比年率−28.8%は、同じ「縮小」として足し合わせる数字ではない。※2 PDFの注記どおり、後者は前期比を年率化した別系列である。※2 また平均残高と月末残高(8月末は5,437,652億円)も別物である。※2 見出しに載せるのは平残前年比。

〜 寄与:当座が引き、券種は相対的に小さい 〜

同月の内訳前年比は、当座預金−18.9%、準備預金−18.0%に対し、日本銀行券−2.0%、貨幣−1.2%である。※2 合計の−15.7%を「現金が消えた」と読むと、寄与の大きさを取り違える。7月の平均残高5,549,259億円から8月の5,430,070億円への水準低下も、同PDFに並ぶ比較行であり、前月比%として記載された数字ではない。※2

金利・準備預金の環境を見るときは、本源通貨全体のヘッドラインより、当座預金の前年比と平均残高を先に置く。売買の指示ではない。政策金利や準備の読みに使う入力として、どこが動いているかを分ける作業である。

次のプリントは月次で、公表は翌月第2営業日が目安である。※3 9月分は10月の第2営業日前後に出る。そのときも平残前年比と季節調整前期比年率を一行にまとめない。

※1 日本銀行「マネタリーベース(8月)」公表ページ(2026年9月2日)。https://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mb/mb.htm

※2 日本銀行調査統計局「マネタリーベース(2026年8月)」PDF(2026年9月2日)。平残前年比、内訳、季節調整済前期比年率、平均残高・月末残高。https://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mb/base2608.pdf

※3 日本銀行「マネタリーベース」解説(定義式、月次・翌月第2営業日公表)。https://www.boj.or.jp/statistics/outline/exp/exbase.htm