〜 Q1売上高56%増の198億ドル達成と飲み薬タイプAI/バイオ創薬「Foundayo」承認による市場拡大 〜
米製薬大手イーライリリー(Eli Lilly and Company / LLY)は、肥満症治療薬「ゼップバウンド(Zepbound)」および糖尿病治療薬「マンジャロ(Mounjaro)」の爆発的な需要増を背景に、世界のヘルスケア企業として圧倒的な業績成長を続けています。
直近の2026年第1四半期(Q1)決算では、売上高が前年同期比56%増の198億ドルに達し、米国GLP-1市場におけるシェアも60.1%を獲得して競合のノボ・ノルディスクを大きく突き放しました。
本記事では、イーライリリーのGLP-1製剤の強みと、2026年4月にFDA承認を受けた経口(飲み薬)タイプ「Foundayo」のインパクト、そして今後の株価見通しについて解説します。
項目 / 内容 概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 直近売上高(Q1 2026) | 198億ドル(前年同期比 +56%増)※1 |
| マンジャロ(Mounjaro)売上 | 86億6,000万ドル(前年比 2倍以上増)※1 |
| ゼップバウンド(Zepbound)売上 | 41億6,000万ドル(前年比 +80%増)※1 |
| GLP-1市場シェア | 米国市場で60.1%を獲得(ノボ社の39.4%を上回る独走)※2 |
| 2026通期業績見通し | 売上高 820億ドル 〜 850億ドルへ上方修正※2 |
〜 ゼップバウンド41億ドル突破とGLP-1市場シェア6割超えの強み 〜
イーライリリーの業績を牽引しているのは、GIP/GLP-1受容体作動薬「ゼップバウンド」と「マンジャロ」の2大製剤です。
2026年Q1において、マンジャロは前年同期から2倍以上となる86.6億ドル、ゼップバウンドは41.6億ドルを売り上げました。同社は自社工場の増設と製造ラインの拡張に数千億円規模の設備投資を実施したことで供給不足を解消し、米国のGLP-1市場シェアで60.1%と首位の座を確固たるものにしています。
肥満症治療薬は単なる美容・ダイエット領域にとどまらず、心血管疾患リスクの低減や睡眠時無呼吸症候群、腎疾患への適応拡大が進んでおり、保険適用範囲の広がりに伴いさらなる長期需要が見込まれています。
〜 経口タイプ「Foundayo」のFDA承認と新市場の開拓 〜
2026年4月1日、イーライリリーは世界初となるペプチドを含まない小分子GLP-1経口薬「オルフォグリプロン(商品名:Foundayo)」のFDA(米食品医薬品局)承認を獲得し、4月9日より全米での販売を開始しました。
従来の注射剤と異なり、水や食事の制限なしに1日1回服用できる利便性を備えており、初期処方患者の80%以上が「過去にGLP-1製剤の投与を受けたことがない新規患者」であることが判明しています。
これは既存の注射剤(ゼップバウンド)の売上を奪うことなく(カニバリゼーションなし)、飲み薬を好む広範な新規顧客層を取り込むことで、肥満薬市場全体のパイを飛躍的に拡大させていることを示しています。
〜 Rirori’s Eye(編集部の視点) 〜
イーライリリーは、トリプル作用薬「リタトルチド(Retatrutide)」などの次世代パイプラインにおいても第3相臨床試験で良好な成果を挙げており、同分野における技術的優位性を数年先まで確保しています。
ヘルスケアセクターにおける時価総額世界1位のポジションを維持しつつ、メガテック企業にも匹敵する年率50%超の増収率を誇る同社は、株式ポートフォリオのディフェンシブかつ高成長なコア銘柄として極めて魅力的です。
※1: 決算数値および売上高内訳はイーライリリー公式2026年Q1 IR発表資料に基づきます。
※2: 市場シェアデータおよび通期ガイダンス上方修正値は同社プレスリリースおよび主要アナリストレポートに基づきます。

