FOMC声明文は前回との差分から読む:7月と9月の声明を並べてみた
FOMCの声明文は、前回との差分から読むと、変わった所と変わらない所が見えます。7月29日と9月16日の声明を並べて、決定・票・言い方の違いを米連邦準備制度の原文で確かめました。

要点
- FOMCの声明文は、前回の声明と並べて、変わった文と変わらない文を分けて読みます
- 7月29日は据え置き(3-1/2〜3-3/4%、9対3)、9月16日は1/4引き上げ(3-3/4〜4%、12対0)でした
- 雇用と「price stability」の文は、7月と9月で同じでした
- 不確実性の理由とインフレの文は、言い方が変わっていました
- 議事要旨は、2026年の会合では3週間(21日)後に出ています
読む順番
この記事は、2026年10月28日に、米連邦準備制度理事会(FRB)の公式ページで、7月と9月のFOMC声明、9月の議事要旨、会合のカレンダーを読み直して確かめた内容をもとに書いています。2026年10月27〜28日の会合は、この記事を書いている時点で、声明が出ていません(出典4)。そのため、すでに出ている7月と9月の声明を実例にしました。市場の反応や、金利・為替の予想は使っていません。
7月と9月の声明を並べる
声明は、7月29日と9月16日のどちらも、午後2時(米国東部夏時間)に出ています(出典1・2)。二つの声明を、同じ位置の文どうしで並べました(私の整理です)。
項目 | 7月29日 | 9月16日 |
|---|---|---|
政策金利 | 3-1/2〜3-3/4%で据え置き | 1/4引き上げ、3-3/4〜4% |
票 | 9対3 | 12対0 |
経済活動の文 | solid paceと不確実性の句が同じ文 | solid paceだけ(不確実性は別の文) |
雇用の文 | 同じ文 | 同じ文 |
7月の反対票は3人で、いずれも0.25ポイントの引き上げを主張していました(出典2)。9月は、反対がなく、12対0でした(出典1)。3-1/2に1/4を足すと3-3/4で、9月の範囲の下限と合います(私の計算です)。
変わらなかった文もあります。雇用の文は、7月も9月も「Job gains have kept pace with the workforce, and the unemployment rate has changed little.」でした。「The Committee will deliver price stability.」という文も、同じでした(出典1・2)。
言い方が変わった文
言い方が変わった文は、二つありました。
項目 | 7月29日 | 9月16日 |
|---|---|---|
不確実性の理由 | 中東の紛争 | 地政学的な動き(別の文) |
インフレの文 | 目標2%に対して高い | 高いまま。今回の措置が2%への回帰を早める、と追記 |
原文は、次のとおりです(出典1・2、表は私の訳です)。
- 7月: 「Economic activity is expanding at a solid pace despite elevated uncertainty」に続けて「elevated uncertainty that owes, in part, to the conflict in the Middle East」
- 9月: 「Economic activity is expanding at a solid pace.」と、別の文で「While uncertainty remains elevated owing, in part, to geopolitical developments, domestic spending has been resilient.」
- 7月: 「Inflation remains elevated relative to the Committee's 2 percent goal」
- 9月: 「Inflation remains elevated.」と「Today's policy action will support a timelier return to the Committee's 2 percent goal.」
文の数や言い回しが変わっても、それが何を意味するのかは、声明文だけでは決められません。ここでは、変わった所を拾うところまでにしました。
議事要旨は3週間後に出る
議事要旨は、2026年の会合では3週間後に出ています。7月29日の会合が8月19日、9月16日の会合が10月7日です(出典4)。どちらも21日後でした(私の計算です)。
9月の議事要旨には、会合の決定に全員が賛成したことが書かれています(声明も12対0でした。出典1)。さらに、「most participants assessed that another increase in the target range for the federal funds rate would likely be appropriate by year end」という文があります(出典3)。これは、議事要旨に書かれた参加者の見方で、私の予想ではありません。声明文に並ぶ決定や状況の文とは別に、参加者の見方が議事要旨に書かれている、という例として読みました。
いまの自分のルール
FOMCの声明を読むときは、前回の声明と並べ、決定・票・言い方が変わった文と、変わらない文を分ける。
まだ分からないこと
- 10月会合の声明が、9月と比べてどこが変わるのか(この記事の時点で未公表です)
- 声明の文の変化が、市場でどう受け取られたのか(一次資料では確認していません)
- 10月会合の議事要旨の公表日(カレンダーに掲載されていません)
Rirori's Eye
次に確かめたいのは、10月28日の声明です。7月と9月の声明でやったように、決定・票・経済活動・雇用・不確実性・インフレの文を、9月16日の声明と並べて、変わった文と変わらない文を分けます。9月と同じ午後2時(米国東部夏時間)なら、日本時間では10月29日の午前3時になります(私の計算です。時刻は未確認です)。


