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米雇用統計の見出しはどこまで読むか:8月の16.2万人増と、後から変わった数字

米雇用統計の「非農業部門雇用者数」は、発表後に修正されます。8月の16.2万人増が、その後どう変わったかを、米労働統計局の原文で順番に確かめました。

一枚の紙の一部が消され、そこに少し違う紙片が珊瑚色の縁取りで重ねられている。紙は二枚重なり、横に鉛筆と消しゴムがある

要点

  • 米雇用統計は二つの調査から作られていて、見出しの雇用者数(NFP)は事業所調査、失業率は世帯調査です
  • 8月のNFPは、発表時は+16.2万人でしたが、次の月の発表で+13.3万人に修正されました
  • 前の月・前々月の数字も、発表のたびに書き換わります
  • 事業所調査の数字は、年次ベンチマークまでに2回修正されます。世帯調査の前の月は、年末まで修正されません
  • 見出しの次に、失業率・時給・参加率・修正の4か所を並べて読みます

読む順番

  1. 冒頭のサマリーを読む発表資料の最初の数段落

    NFP、失業率、時給、労働時間

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  2. 世帯調査の欄を読む世帯調査の表

    失業率、労働参加率、雇用人口比率

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  3. 事業所調査の欄を読む事業所調査の表

    産業別の増減、平均時給、週間労働時間

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  4. 前の月・前々月の修正を読む冒頭の「revised」の段落

    修正前と修正後の数字、合計の差

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  5. 次の発表日を確かめる発表資料の最後の予定

    次回の発表日

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この記事は、2026年10月28日に、米労働統計局(BLS)の雇用統計の発表資料(8月分と9月分)と、雇用統計の解説ページを読み直して確かめた内容をもとに書いています。市場の予想や、株価・為替の動きの報道は使っていません。

8月分の4つの数字

8月分は、2026年9月4日の発表です(出典1)。見出しのほかに、同じ資料に並んでいる数字を拾いました。

指標

8月分(9月4日発表)

NFP(前月差)

+16.2万人

失業率

4.1%(変わらず)

平均時給

37.75ドル(前月比0.3%、前年比3.1%)

労働参加率

61.6%(1月以降0.5ポイント低下)

平均週間労働時間は34.4時間(0.1時間増)、雇用人口比率は59.1%でした(出典1)。

NFPと失業率は、別々の調査から出ています。NFPは、事業所を対象にした調査から出る「仕事の数」で、失業率は、世帯を対象にした調査から出ます(出典3)。BLSの解説には、事業所調査の数字は「働いている人」ではなく「仕事の数」を数えている、と書かれています(出典3)。二つの数字は、同じものを数えていないので、並べて読みます。

産業別では、飲食店・飲酒場所が+5.9万人(直前12か月の月平均は+1.2万人)、地方政府教育が+4.2万人(前月の減少をほぼ相殺)、情報が−2.3万人でした(出典1)。

修正で数字が変わる

BLSは、8月分の発表で、6月と7月の数字も修正しました(出典1)。

月

修正前

修正後

6月

+2.0万人

+3.1万人

7月

−2.3万人

+2.1万人

6月と7月の合計は、従来の報告より5.5万人高くなりました(出典1)。

その次の月、10月2日の9月分の発表では、7月と8月が修正されました(出典2)。

月

9月4日発表の数字

10月2日発表の数字

7月

+2.1万人

−1.0万人

8月

+16.2万人

+13.3万人

7月と8月の合計は、従来の報告より6.0万人低くなりました(出典2)。9月分そのものは、NFPが+2.9万人、失業率が4.2%、平均時給が前月比0.1%(前年比3.0%)、労働参加率が61.8%でした(出典2)。

8月の+16.2万人は、1か月後に+13.3万人になり、7月はプラスからマイナスに変わりました。見出しの数字は、最初に発表された時点の数字で、最終的な数字ではありません。

修正の仕組みについて、BLSの解説には次のように書かれています。事業所調査の速報は、年次ベンチマークの改定までに2回修正されます。世帯調査は、前の月の数字が年末まで修正されません(出典3)。つまり、NFPと失業率では、前の月の数字の扱いが違います。

見出しの次に開く場所

私は、NFPの見出しを見たら、次の順番で確かめることにしました。

  1. 失業率と労働参加率(世帯調査)。NFPと同じ方向かどうか
  2. 平均時給と労働時間(事業所調査)。仕事の数だけでなく、賃金や時間も増えているか
  3. 前の月と前々月の修正。見出しの前提になる数字が変わっていないか
  4. 産業別の内訳。増減が広がっているか、一部に偏っているか

この4か所は、どれも発表資料の中にあり、見出しと同じ日に読めます(出典1)。ただ、修正は次の発表まで分かりません。今回のように、1か月後に数字が変わることがあるので、単月の見出しだけで強さを決めないことにします。

いまの自分のルール

NFPの見出しを見たら、失業率・時給・参加率・前の月の修正を同じ画面で確かめる。見出しの数字は、次の発表で変わりうる。

まだ分からないこと

  • 9月分で修正された8月の数字が、10月分の発表(11月6日)でさらに変わるのか(確認できていません)
  • 年次ベンチマーク改定が、数字にどのくらい影響するのか(今回の資料では確認していません)
  • 労働参加率の細かい定義(BLSの解説ページには明記されていませんでした)

Rirori's Eye

次に確かめたいのは、2026年11月6日の10月分の発表です(出典2)。8月分でやったように、NFP・失業率・時給・参加率の4つを並べ、さらに、9月と8月の修正が出るかを見ます。9月分と同じ8時30分(米国東部時間)の発表なら、米国の夏時間が11月1日に終わるため、日本時間では22時30分になります(私の計算です。時刻は未確認です)。

出典

  1. Employment Situation - August 2026 — 米労働統計局(BLS) / 2026-09-04 8:30 ET発表(2026-10-28確認)
  2. Employment Situation - September 2026 — 米労働統計局(BLS) / 2026-10-02 8:30 ET発表(2026-10-28時点で最新)
  3. Employment Situation Quick Guide — 米労働統計局(BLS) / 2026-10-28確認